個人再生手続きの概要
個人再生手続きとは、一言でいいますと裁判所を利用した法的債務整理の制度の一つです。 この制度は「民事再生法」という法律の中に定められている制度で、厳密には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つがあります。 個人再生手続の内容を簡単に言えば、「債務(借金とほぼ同じ意味)の総額のうち裁判所の手続を通じて決められた一定の金額を分割で支払えば残りの金額の支払を免除してもらえる制度」と表現できるでしょう。 この手続には、他の債務整理の方法と比べると、以下のような特色があります。 |
特色1
自宅を守ることができる。
債務整理が必要な人の中には、自宅として土地建物あるいはマンションを所有しているが住宅ローンが残っており自宅に抵当権が設定されているという人もいます。
このような場合、個人再生手続では「住宅資金貸付債権に関する特則」という制度を使って、住宅ローンをこれまでと同様の条件で返済していくことができます(一定の条件を満たせば弁済期間の延長などが認められる場合もあります)。
このように、「自宅を守ることができる」というのが個人再生手続の大きな特色の一つです。 ただし、自宅が住宅ローン以外の債務の担保にもなっている場合には、この特則は利用できませんので、ご注意ください。
特色2
浪費があっても利用できる。
借りたお金をギャンブルなどで浪費してしまったという人もいます。
破産手続では浪費があると免責が不許可になる可能性がありますが、個人再生手続の場合、浪費があっても手続利用の支障にはなりません。
ただし、分割とは言え債務を返済していかなくてはならないので、浪費をやめてしっかりとした生活設計をしないと、結局、返済ができなくなってしまいます。 この点は注意が必要です。